マインドマップ Day 6

 

みなさん、こんにちは。キネマ翻訳倶楽部SCHOOL広報担当で字幕翻訳家の山名です!

さて今回は、「字幕翻訳家に必要な3つのスキル」をテーマに記事を書いていきたいと思います。

さっそくですが、字幕翻訳家に必要な3つのスキルと聞いて、みなさんはどのようなスキルを想像しますか?英語力、というのは浮かんでくるかもしれませんが、その他にどのようなスキルが必要でしょうか。以下にその3つのスキルをご紹介します。

①英語力

②日本語力

③字幕制作スキル

やはり①の英語力は、もちろん必要ですよね。以前の動画でもお話ししていますが、英語力といってもネイティブ並みの英語力が必要、ということではありません。必要なのは、スクリプトを読んで解釈する力、でしたね。では、この「英語力」についてもう少し詳しくお伝えしていきたいと思います。「英語力」というのは、セリフを理解する力、ストーリーを理解する力、作品の魅力を理解する力、です。スクリプトを読み、セリフを理解し、そのセリフがストーリーとどう関わっているかなど、ストーリー全体を理解する力も必要です。そして、さらにはその作品の魅力を理解する力も求められます。せっかく英語が理解でき、訳せても、その作品の魅力がわかっていなかったら視聴者に伝えることができませんよね。なので、「英語力」と一言で言っても、そこにはセリフ・ストーリー・作品の魅力を理解する力が含まれているのです。

次の②日本語力。「英語力」の中で理解した内容を日本語で伝えるには、当然日本語力も必要になってきます。では、「日本語力」とは何か?といいますと、セリフの意図を伝える力、ストーリーを伝える力、作品の魅力を伝える力、になります。そして字幕翻訳には「文字数制限」という特殊性があるため、英語で理解したセリフを時にはギュギュっと圧縮して日本語で伝えなければいけません。このようなことを考えると、日本語の表現力がとても重要だということがわかりますね。

最後に③字幕制作スキルについて。まず、字幕翻訳をするにあたり、「ハコ割り」と「スポッティング」という作業が必要になってきます。ちなみに「ハコ」というのは、「一度に表示されるセリフ」のことです。字幕翻訳を学んだ方にはおなじみの言葉かもしれませんが、これから「ハコ割り」と「スポッティング」について説明したいと思います。まずは「ハコ割り」ですが、これは「スクリプト上で、どこからどこまでのセリフを表示するかを決める作業」です。一方、「スポッティング」とは、「字幕制作ソフト上で、セリフが表示されるポイントと消えるポイントを設定する作業」です。字幕制作ソフトがなかった時代は、紙のスクリプト上で斜線を入れてセリフを区切っていましたが、今では字幕制作ソフトがあるので、映像に自分が作った字幕を乗せて見ることができるので、自分で作った字幕がどう映るのか、とてもイメージがしやすくなりました。さて、字幕制作スキルに話を戻します。「字幕制作スキル」で習得すべきことは、一体何でしょうか。それは、「ハコ割り」です!ハコ割りについては、書籍では学べません。実際にソフトを使って学ぶのが一番です。そして、ハコ割りも十人十色なので、これも正解がありません。ですが、ハコ割りを実際にやっていくうちに、セリフをどのあたりで切ったら分かりやすいか、字幕の表示時間が長すぎる・短かすぎる、など、感覚的にわかってくることも多いです。ハコ割りを習得するに伴い、英語力・日本語力も向上していきます。英語のセリフをどこからどこまでが一塊の意味か、を意識してハコ割りしますし、英語のセリフの情報を限られた文字数で日本語にまとめる必要があるので、日本語力も上がっていきます。

字幕翻訳に必要な3つのスキル、それは個々のスキルではなく、互いに影響しあっているのだということがわかりますね!

こちらのYouTube動画でさらに詳しい内容をお話ししています。ぜひご覧ください!

https://www.youtube.com/watch?v=lb2pLttW2Mc&t=28s