マインドマップ Day 8
みなさん、こんにちは。キネマ翻訳倶楽部SCHOOL広報担当で字幕翻訳家の山名です!

さて今回は、「ノンフィクション系字幕翻訳の落とし穴」をテーマに記事を書いていきたいと思います。

字幕翻訳には、大きく分けて2つの種類があります。

①フィクション系

②ノンフィクション系

(ちなみに、これは違いを分かりやすくするために、フィクション系、ノンフィクション系に分けました。)

まず、①フィクション系ですが、これにはどんなものが含まれるかといいますと、アニメや海外ドラマなどが挙げられます。そして、②ノンフィクション系には、ドキュメンタリーやインタビューなどが挙げられます。ではこの2つはどう違うかといいますと、「字幕の圧縮率」です。①フィクション系作品ですと、セリフがテンポよく交わされストーリーが展開されていくため、読み切れる文字数として1秒4文字というルールがあります。そのため、実際にしゃべっているセリフを4~5割程度の文字数に圧縮しなければなりません。一方、②ノンフィクション系作品の場合、ドキュメンタリー番組を例にとるとドラマと比べてナレーションは割とゆっくりなテンポで話すので、ドラマのセリフと比べて同じ秒数内で話している情報量が少なめだったりもします。ドキュメンタリーの場合、情報を伝えることがメインなので、視聴者はしっかり字幕を読んでくれます。文字数も7~8割程度に圧縮できればOKです。フィクション系ほど日本語力が求められ、ノンフィクション系はそんなに高い日本語力は求められません。

以上のことから、ノンフィクション系の字幕ばかりをやっていると、フィクション系の高い日本語力がなかなか身につかない、という落とし穴があるのです!

実際、デビューしたての翻訳者さんはノンフィクション系の番組を任されることが多いです。ただ、ドキュメンタリーなどは調べものが多いので、調べものの力(リサーチ力)がつきます。

ノンフィクション系の番組を長いこと担当した後に、フィクション系のお仕事を任されると、これまで文字数を7~8割程度に圧縮すればよかったのが、文字数を4~5割程度、そしてストーリーの流れを考慮しつつ見て分かりやすい字幕を作成しなければならないということになり、翻訳者として何年か活動しているにもかかわらず、「〇〇さんにはまだドラマの翻訳は難しかったですね。もう少しノンフィクション系の作品をやっていただきましょうか」という話になってしまいます。では、どうしたらフィクション系の作品に関われるようになるのか?といいますと、答えは簡単!「最初からフィクション系の字幕を学べばいい」のです。そうすれば、スクールですでに4~5割圧縮できる技術が身についていますので、ノンフィクション系に対応する力も十分ついているのです。

結論としては、ノンフィクション系からフィクション系にいくのは難しいので、最初からフィクション系の字幕翻訳を教えてくれるスクールで学ぶのが一番の近道です!

こちらのYouTube動画でさらに詳しい内容をお話ししています。ぜひご覧ください!

https://www.youtube.com/watch?v=vegm2ULHsNE