Daily Live Day 2

みなさん、こんにちは。キネマ翻訳倶楽部SCHOOL広報担当で字幕翻訳家の山名です!

さて今回は、「そもそも字幕翻訳って?」をテーマに記事を書いていきたいと思います。

このブログを読んでいただいている方の中には、字幕翻訳家というお仕事に興味があるという方、現在字幕翻訳家を目指して学んでいるという方、またはすでに字幕翻訳家として活躍されているという方もいらっしゃるかと思います。

ここでみなさんに質問です!「字幕翻訳とは?」と聞かれたら、みなさんは何と答えますか?

まず、字幕翻訳は、「外国語が理解できない日本の視聴者のためにある」ということです。当たり前ですが、自分が知らない言語でドラマや映画を見ても、チンプンカンプンですよね。例えばアラビア語のドラマを字幕なしで見るとしたら、どうでしょうか?字幕がないと、内容を理解するのは難しいですよね。さらに、字幕を読まないと理解できない海外作品を見ているとき、字幕の文字数が多すぎたらどうでしょうか?字幕を読むことに必死になって、映像を見るのもままならない、映像を楽しむこともできなくなってしまいますよね。ご存知の方も多いかと思いますが、字幕翻訳の世界では、「1秒4文字」というルールがあります。これは、「人が字幕と映像をゆとりを持ってみることができる文字数」と言われています。なので、セリフの長さ(秒数)によって文字数が決まってきます。すでに字幕翻訳家として活躍されている方は、この”文字数制限”に悩まされることも多いのではないでしょうか。

ここでもう1つ質問です!「字幕翻訳家とは?」と聞かれたら、みんさんは何と答えますか?

字幕翻訳家とは・・・「脚本家の代弁者である!」ということです。洋画や海外ドラマには台本があり、そこには脚本家が練りに練ったセリフがあります。字幕翻訳家は、なぜ脚本家はここでこんなセリフを言わせているのか?どんな背景があってこうなっているのか?など、セリフの核となる意味や脚本家の意図を汲み取り、視聴者に伝えなければなりません。でも、すべてのセリフを字幕に入れられるかと言ったら、先ほどもお話しましたが、文字数制限があるのでそれはできません。そこで字幕翻訳家は、脚本家の意図を汲み取りながら、限られた文字数でそれを表現しなくてはいけません。この文字数制限があるが故に、セリフを練っているうちに本来の意図と離れてしまった、もしくはセリフそのものが変わってしまった、などということも起こります。なので字幕翻訳家は、文字数制限を言い訳にせず、どうすれば脚本家の意図を汲み取ったセリフに訳出することを諦めてはいけません!これは、私自身にも言えることです。文字数制限に苦しみ、なかなかいい日本語が見つからないときこそ、私はこのことを自分に言い聞かせています。(「苦しむ」なんて書いてしまいましたが、いろんな作品を訳していくうちに、日本語を自在に操れるようになってきますので、経験を積めば積んだだけご自分の強みになっていきます。)

最後に、洋画や海外ドラマの魅力について語らせてください。洋画や海外ドラマを見ているとき、人は作品を通して非日常を体験しています。その非日常を楽しみ、現実(日常)に戻ったときに、その人たちに「よし、がんばろう!」と、次への一歩を踏み出す勇気が湧いてくるかもしれません。自分が翻訳した作品で、励まされたり勇気をもらっている人がいたら、素敵だと思いませんか?字幕翻訳の魅力を語り出したら長くなってしまうので(笑)、今回はこの辺で終わりにしたいと思います。

こちらのYouTube動画でさらに詳しい内容をお話ししています。ぜひご覧ください!

https://www.youtube.com/watch?v=q04XQgCdVE8