マインドマップ Day 18

みなさん、こんにちは。キネマ翻訳倶楽部SCHOOL広報担当で字幕翻訳家の山名です!

さて今回は、「字幕翻訳をする際に大切な2つの視点」をテーマに記事を書いていきたいと思います。

タイトルにある通り、字幕翻訳をする際に大切な2つの視点というものがあります。まず1つは「視聴者の視点」。そしてもう1つは「脚本家の視点」です。それではここから、それぞれの視点についてお伝えしていきたいと思います。

まずは「視聴者の視点」です。視聴者は、基本的にドラマや映画などを一度しか見ません。といいますのも、今や動画配信サービスでさまざまな映画や海外ドラマを楽しむことができ、その数も膨大で、視聴者はいろいろな作品を楽しみたいと思っています。なので、字幕翻訳者は1つ1つのセリフをちゃんと伝えなければなりません。セリフとの出会いは一期一会です。たった一度の出会いで意味が伝わるかどうかが大事、伝えられるかが勝負です!そのためには、客観的に伝わる字幕でなければなりません。翻訳者は、自分で考え翻訳したセリフなので視聴者にも伝わると思ってしまいます。つまり主観的に見てしまいます。だからこそ、客観的に伝わるかどうかを見直す必要があるのです。そのためのコツは、一度頭をリセットして、リラックスした状態で作品(字幕)を見ることです。では、どうリセットするか?という点ですが、一度自分の作った字幕を忘れ、一切触れないようにします。2~3日字幕を見ない、考えないようにします。そして、頭がリセットされた状態で見直す時も、何度も見直さない、というのがポイントです。1~2回見直して完成させられれば、視聴者の視点で字幕を見ることができます。

次に「脚本家の視点」です。脚本家というのは当然ながらストーリーの展開・全容を知っています。例えば、「このシーンでは、ここまで伝えよう」「ここに伏線を入れよう」「あえて視聴者をミスリードしよう」など、すべてのセリフに脚本家の意図が込められています。なので、翻訳者は翻訳をする前に、全編通して内容を理解しておかなければなりません。一度最初から最後まで作品を見て、スクリプトにも目を通し、ざっくりとでいいのでストーリーがどう展開するのかを知っておく必要があります。それを知った上で、それぞれのセリフの意図をしっかり伝えていくことが大事なのです。

字幕翻訳者は、この視聴者と脚本家の両方の視点でセリフを訳していければ、伝わりやすい、すばらしい字幕になっていくのではないでしょうか。

こちらのYouTube動画でさらに詳しい内容をお話ししています。ぜひご覧ください!

https://www.youtube.com/watch?v=dITp656DcuE