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第1回 [字幕翻訳 入門編]

皆さん、はじめまして。
キネマ翻訳倶楽部 SCHOOL代表の三村と申します。

字幕翻訳に興味のある方向けに、無料のオンライン講座を公開します。
結構詳しい内容にしていく予定ですので、期待してくださいね。

このオンライン講座は受講生1人にも参加していただき、講義を実況中継する形で進行します。

それでは、初回の講義を始めたいと思います。
テーマは[字幕翻訳 入門編]です。

[講師]
それでは初回の講義[字幕翻訳 入門編]を始めたいと思います。
よろしくお願いします。

[受講生]
よろしくお願いします。
未経験なのでドキドキです。

[講師]
そんなに緊張しなくて大丈夫ですよ。
気楽にいきましょう。

まずは字幕翻訳の基本的なルールから始めましょう。
字幕の基本ルールといえば、何よりもまず「1秒4文字」です。
知ってますか?

[受講生]
それは本で読んだことがあります。
字幕は字数制限があるために、他の翻訳とは違うと書いてありました。

[講師]
そうですね。
字幕の大きな特徴の1つとして、字数制限があります。
字幕は話者がセリフを話している間にだけ表示されるため、表示している間に読み切れる文字数である必要があります。
一般の人が映像を観ながら余裕をもって読み切れる文字数というのが「1秒=4文字」になります。
視聴者は映像を観ながら字幕を読んで内容を理解するので、1秒4文字を超えた文字数の字幕では映像鑑賞を妨げてしまう恐れがあります。
1秒=4文字なので、2秒なら8文字、4秒なら16文字、3.5秒なら14文字といった具合いです。

[受講生]
何だか難しそうですね。
私にできるでしょうか?

[講師]
感覚さえつかんでしまえば、それほど難しくはありませんよ。
簡単な例を使って解説しますね。

刑事1:① Who reported this? (1秒)
刑事2:② Anonymous phone call. (1秒)
刑事1:③ Man or Woman? (1秒)
刑事2:④ I should have checked, sir. (1秒)
刑事1:⑤ Never mind. (1秒)

これは、あるミステリードラマのワンシーンです。
事件が起きた後に刑事2人が話しています。
2人の関係ですが、刑事1が上司で刑事2が部下になります。

まず①“Who reported this? (1秒)”のセリフから見ていきましょう。
意味は分かりますか?

[受講生]
「誰がこれを通報した?」でしょうか?

[講師]
そのとおりです。
では“これ”とは何だと思いますか?

[受講生]
通報しているので“事件”のことだと思います。

[講師]
そうです。
直訳は「誰が事件を通報した?」になります。
ここまでは普通の翻訳ですが、この直訳を字数制限を踏まえて字幕にしていきます。
原文の右にある数字がこの字幕の表示時間になります。
つまり、このセリフは1秒なので4文字以内の字幕にする必要があります。
最初だと結構難しいかもしれませんね。
直訳すると9文字の情報を4文字以内の字幕にしなければなりません。
こういう場合、まず削れる情報を探します。
「誰が事件を通報した?」で削れる情報は何だと思いますか?
ヒントは、削っても意味的に支障のないものです。

[受講生]
えーと、“事件を”ですか?

[講師]
そのとおりです。
ここでは事件の話をしているので、“事件を”を削除しても意味は通じます。
そうすると、「誰が通報した?」となります。
しかし、これではまだ6文字なので字数オーバーです。
言い忘れましたが、“?”などの記号は基本的に制限字数には含めません。
「誰が通報した?」では字数オーバーですが、これ以上カットすると支障が出てきてしまいます。
例えば「誰が?」としても、何のことだか分かりづらくなってしまいます。
字幕はパッと表示されてパッと消えてしまうので、分かりづらい字幕だと意味を考えている間に字幕が消えてしまい、内容の理解を妨げてしまいます。
この字幕の場合、情報を削るだけでは制限字数の4文字には届かないようです。

このような場合、次に考えるのが言い替えです。
同じ内容を別の言葉で言い替えることができないか考えます。
「誰が通報した」を意味の内容を変えずに言い替えると、どうなりますか?

[受講生]
“意味の内容を変えずに”ですか?

[講師]
そうです。
例えば、主語と述語をひっくり返すとどうなります?

[受講生]
主語が“誰が”で述語が“通報した”ですよね。
ひっくり返すと、「通報したのは誰だ?」ですか?

[講師]
そのとおりです。
ここからは≪情報の圧縮≫が必要になるのですが、“通報したのは”を別の言葉に言い替えられませんか?

[受講生]
“通報した人は”とかですか…。
分かりました! “通報者”ですね。

[講師]
ご名答です。
そうすると、字幕はどうなりますか?

[受講生]
「通報者は誰だ?」です。
でも、これでは6文字で字数オーバーではないでしょうか。

[講師]
この字幕からカットできる情報はありませんか?

[受講生]
なるほど!
“誰だ”が無くても「通報者は?」で意味が通じますね。

[講師]
そのとおりです。
少しコツが分かってきたみたいですね。
これで4文字になったので、制限字数内に収まりました。
この調子で②“Anonymous phone call.(1秒)”に挑戦してみましょう。

[受講生]
直訳は「匿名電話です」。ですね。
これを4文字以内の字幕にするには…。
「匿名電話」でどうですか?

[講師]
残念ながらNGです。
②のセリフは部下が上司に言うセリフなので、「匿名電話」と言ったらかなり失礼な言葉遣いになってしまいます。
ここが字幕の難しいところなのですが、制限字数に合わせるためにおかしな表現にしてはいけません。
刑事の部下が上司に「匿名電話」とぶっきらぼうに言ったら、上司は“なんだこいつ”と思うのが普通です。
それにもかかわらず、その後も何事もなく会話が続いたとしたら、“この部下は失礼なキャラなのかな?”“上司はそれを黙認してるのかな?”といった変な誤解を招きかねません。

[受講生]
確かにそうですね。
そうすると、「匿名です」でしょうか?

[講師]
そうです。
通報とは“電話”でするものなので、“電話”はカットできます。
続いて③“Man or Woman?(1秒)”のセリフに進みましょう。
1秒なので制限字数は4文字です。

[受講生]
直訳は「男か? それとも女か?」といった意味ですよね。
“?”は字数に数えないので、「男か? 女か?」でどうでしょう?

[講師]
惜しいですね。
それでも間違いではないのですが、刑事のセリフとしては少し微妙な気がします。
もう少し刑事らしく聞こえる字幕にできないか考えてみましょう。

[受講生]
確かに、「男か? 女か?」だとあまり刑事のセリフっぽくは聞こえないですね。
そうしたら、性別を聞いているので「性別は?」と言い替えてはどうでしょう?

[講師]
バッチリです。
だいぶコツが分かってきたみたいですね。
「性別は?」であれば、刑事のセリフとしても違和感はありません。
この“刑事らしく”というのがとても重要で、どんな場面でも話者のキャラクターに合うような字幕にする必要があります。
それでは、次に④“I should have checked, sir.(1秒)”のセリフです。
ちょっと難問ですが、挑戦してみてください。

[受講生]
この表現は見たことがあります。
“should + have 過去分詞”で“~すべきだった”なので、意味は「調べておくべきでした」ですね。
ええと、このセリフの表示時間は…1秒!
ということは4文字ですか!?
ちょっと想像がつかないのですが、これを4文字にできるものですか?

[講師]
確かに難しいですね。
“should + have 過去分詞”には“~すべきだった”という意味だけでなく、“~すべきだったのに~しなかった”という意味も含まれます。
それを踏まえて考えてみてください。

[受講生]
そうすると、「調べてません」ですか?
でも2文字オーバーです。
これは削れないと思うので、言い替えるんでしたよね。
「調べてません」を言い替えると…「忘れました」とかですか?
まだ1文字オーバーですが…。

[講師]
この字幕は「性別は?」の問いに対する答えなので、「忘れました」とすると、“知っていたが度忘れした”みたいなニュアンスになってしまいます。
これでは原文の意味から離れてしまいますね。
ヒントとしては、“調べてない”のなら次にどうするかを一歩踏み込んで考えてみてください。

[受講生]
“調べてない”のなら、“調べなきゃならない”ですよね。
そうすると、次にやることは“調べる”ことですか?
なるほど、「調べます」ですね!

[講師]
そのとおりです。
いい発想の仕方だと思いますよ。
では最後に⑤“Never mind.(1秒)”です。
これも1秒なので制限字数は4文字です。

[受講生]
「気にするな」だと1文字オーバーですね…。
「まあいい」でどうでしょうか?

[講師]
いいですね。
だいぶ感覚がつかめてきてますよ。

これで、全ての字幕が出来上がりました。
まとめると、このようになります。

刑事1:① 通報者は?
刑事2:② 匿名です
刑事1:③ 性別は?
刑事2:④ 調べます
刑事1:⑤ まあいい

これでしたら、分かりやすくて流れもよく、必要な情報が入った字幕になっていると思います。
実際には、この後も刑事2人の会話は続くのですが、最初なのでここまでにしておきます。
まだほんの触り程度ですが、字幕翻訳をやってみてどうでしたか?

[受講生]
何だか直訳よりも、だいぶコンパクトですっきりしてますね。
でも、確かに必要な情報が全て入ってると思います。
少しだけコツが分かってきた気がするので、もっとやってみたいです。

[講師]
その意気です。
今回は短いセリフばかりでしたが、次はもう少し長めのセリフにも挑戦してみましょう。

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